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出雲大社神楽殿・大しめ縄はこうして作られた

出雲大社の「千家さん」で結婚式を挙げる際、神聖な挙式の舞台となる、神楽殿(かぐらでん)。
こちらの神楽殿にも御本殿と同じく、大国主命が祀られています。

神楽殿の象徴といえば、なんといっても大しめなわ。
この大しめ縄は、長さ13.5メートル、太さは最大8メートル、重さ4.4トンと、国内最大級の大きさを誇ります。
日本一の日の丸に続き、日本一のしめ縄もここ出雲大社に。
大しめ縄の真下に立って下から見上げると、その迫力に圧倒されてしまいます。

本来しめ縄とは、神仏と人の境界を表すもの。

出雲大社大しめなわ

実はこのしめ縄、現在取り付けられているものは「6代目大しめ縄」だそう。
昭和56年に神楽殿が建てられてから、もう5回も付け替えが行われているのです。
天然素材を使っていますから、経年と共にどうしても劣化が避けられません。
そのため、老朽化が進むとこうして新しいものへの付け替えが行われるのですね。

それにしても、こんな大きなしめ縄、一体どうやって作るんでしょうか?
お正月に玄関先に飾る、あの家庭用の小ぶりなしめ縄とはまるでスケールが違います。
誰が、どこで、どうやって?

出雲大社の大しめ縄は、島根県飯石郡飯南町という町で作られています。
飯南町では昔からしめ縄作りが盛んで、しめ縄作りの技術をお持ちの方々が集まった「飯南町注連縄企業組合」なる組織があります。
この組合の皆さん方が、しめ縄に使う稲わらの田植えから始め、実に1年半もの歳月をかけて制作されたそうですよ。
しかも・・・ボランティアで!
壮大なプロジェクトですね!

見れば分かるように、しめ縄は2本のわら束が撚り合わされて出来ています。
こんな巨大なわら束を、人力とクレーン車の合わせ技でもって慎重に撚り合せるのだとか。
計算し尽くされたかのように美しいフォルムをしていますが、これもすべて人の手による丁寧な調整作業があってこそ。
もちろん、大勢の男性の力を結集させてなお、大変な力仕事であるといいます。

出雲大社結婚式の様子

注連縄企業組合の皆さんの長年の努力と熱い想いが詰まった大しめ縄。
今日もこの神聖なる大しめ縄の下で、新郎新婦様が神の祝福を受けながら、永遠の愛を誓い合いあっています。

出雲大社結婚式